「日本の日」訪問 [あちこちの日本語教育]
地震の後、ハンガリーでもいろいろなチャリティーが行われています。
今日は、日本語授業を設けている高校でチャリティー「日本の日」が開かれるとのことで、午後からお邪魔してきました。
折り鶴や書道の作品が飾られる中、ちょうど舞台では地震に関するプレゼンテーション。そして、教室では、生徒たちが巻き寿司やケーキを販売したり、千羽鶴をつくったり、それから書道のワークショップやカラオケ、日本のおもちゃ、コスプレやダンスなど、いろいろな企画をしていました。
チャリティー「日本の日」をしたいというのは、高校生たちから起こったアイデアなんだそうです。
あの日の地震の報道。
無力感としか言いようのない津波。
そして、原発melt downのニュースを最初に聞いた時に苦しさ。
日本で、毎日不安定な中で過ごした一週間と、その後聞こえてくる、通常ではない生活。
感性豊かな年代の彼ら彼女らは、そのことをもしかすると私たちが思っている以上に深く受け止めているかもしれない。
あるいは、逆にもう忘れ始めているかもしれない。
励ましてくれる人がいる半面、もしかすると心ない言葉を投げてくる人もいたかもしれない。
だけど、高校時代に「日本の日」を企画したこと、何かを確かにその時に考えたことはきっと彼らの中に残るし、正の部分も負の部分も考えていってほしいと思います。
この「日本の日」はひとつのギムナジウムの主催でしたが、近隣のたくさんの学校でもそれぞれに募金活動が行われ、それが合わせて届けられてもいたそうです。
もうひとつ。
電車を待っている時、たまたま受講生の一人と一緒になり、二人で「日本の日」にお邪魔しました。
奨学生試験に合格して、本当なら先週日本の大学院に留学することになっていた彼女。
予定していた大学は、施設の被害もけして少なくはなかったところで、予定を半年遅らせて、秋から出発することにしたそうです。
地震が起こるつい1時間前に大学の先生とメールのやりとりをしていて、
「日本に行ったらお花見ができる」
と楽しみにしていたという彼女。
ほんの一時間後で、当たり前だと思ってたことや楽しみが、あっという間に崩れてしまうことを経験した、彼女もその一人でした。
半年遅れたけれど、それでも日本に行きたい、勉強したいという彼女が、落ち着いて安心して秋の紅葉を楽しめるようになっていてほしい。
そして、今だからこそ考えられる、たくさんのことを考えて、しっかりとした留学生活を送ってほしいと思います。
2011-04-10 08:36
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