スロヴェニアへ [旅]
少し前のことですが、イースターはスロヴェニアへ行ってきました。
プライベートで任国外に出るのは、おそらくこれが最後になる予定です。
飛行機から降り立つと、すぐそこにはアルプスが見え、チロルやイタリアを思い出させるような街の雰囲気、それから郊外の可愛いお城と湖。
ここが、ボスニア・ヘルツェゴヴィナやセルビアと同じ国だったことが何だか不思議にさえ思いつつ、それでもとても落ち着いた、ほっとできる景色を見ながら歩いていると、街中に突然チトーの銅像が現れたこともありました。
ハンガリーに赴任が決まった時、国境を接する国と、それから中東欧と呼ばれる地域にはできるだけ行ってみようと思ったのを覚えています。
さすがに仕事をしながら全部というのは無理でしたが、意識していろいろな場所へ行こうとしたこと、特に昔のユーゴスラヴィアの国々へ行けたことは、私にとって本当に貴重な経験でした。
アルプスの景色が印象的な可愛らしいスロヴェニアと、イスラム教の女性がベールをかぶって歩くサラエボ。それから、NATOの空爆の痕も生々しいベオグラード。イタリア行きの船を眺めたクロアチアの港。ミニバスでぐるぐるまわったモンテネグロ。
文化も歴史も人々の気質もさまざまで、それでもずっと隣人として暮らしてきた人々が、ひとつの国になり、社会主義の時代と体制の崩壊を経験し、分裂し、戦争が起こり、そしてまたバルカンという地域で生きていこうとしている。
そういう場所にいると、自分の小ささや「何もできないこと」を感じ、でも、「何もできないこと」をちゃんと引き受けていこうと思う。
そんな風にいろいろなことを感じられる場所、中東欧に来られた時間の大切さを、改めて感じています。
2011-05-09 04:25
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コメント(2)
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本当に。中東欧に赴任でき、自分の目で物事を見て、知る機会が持ててよかったね!
わたしの中東欧のイメージは「サラエボオリンピック」と「ドナウの旅人」で止まったままでした。その後、貧しいアフリカならともかく、近代的な考えのはずの白人の国で内戦がおきるなんてとても信じられませんでした。
でもゆにさんの日記を読んでこれらの国の本当の姿を知ることができて(ほんの一部かもしれませんが)、とても興味深かったです。
どうもありがとう♪
それにしても美しい写真!
by アイシス (2011-05-09 20:50)
>アイシスさま、
私も内戦が起こった時のショックはよく覚えています。何て言うか、ヨーロッパで国境が変わるようなことが起こるわけないという思い込みがあったというか。
「ソ連の戦車が踏み込んでくるかもしれない」というような緊張感もありましたよね。
この地域の民族問題と歴史は本当に複雑で、外国人の私が簡単に足を踏み入れる問題ではないと思うけれど、実際に住んでいろいろ感じたことは貴重な経験だったと思っています。
by juni (2011-05-10 06:45)